ありがとう


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8月20日の夕方、コムギが旅立っていった。

コムギは今年で満20歳の実家の三毛猫。
わたしが実家を出るまでの短い間だったけど寝起きを共にした、
可愛いくて大切な、(そしてかつては乱暴極まりない)美人猫だった。

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20日の夜、母が電話をくれて、
癌を抱えていたコムギの容態が急変し
かかりつけの病院に連れて行こうと準備中に
息を引き取ったことを伝えられた。
電話口の母は、悲しみとショックと、
でも同時に、確認のためそのまま向かった病院で、
先生がコムギの身体を本当に丁寧に拭いてくれたこと、
トリミングまでしてくれて、白い部分の毛が輝く元の美人のコムギに変身して、
母のもとに戻してくれたことへの、感謝の気持ちでいっぱいだった。

「最後はキレイな箱の中にコムギを寝かせてくれて、
花もたくさん入れてくれてなぁ。車まで運んでくれて、診療費を払おうとしたら
『今日のお代はいいです。コムギちゃんも本当によく頑張ったので』
って頭を下げてくれたんよ」と、涙ながらに話してくれた。

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そして、「これからみんなでコムギのお通夜やねん」と、
電話口の母。
実家の近くに住んでいて、常に母とコムギをサポートしてくれた
姉と旦那さんと甥っ子のUちゃんも、その場にいてくれて。
「お姉ちゃんはクリスチャンやから、きっと歌を歌ってくれるんやろうな、
お母さんもお姉ちゃんも声ええから、綺麗やろうなあ」と、
話を聞きながら、その場にいないわたしも、キレイにしてもらったコムギ、
歌と花に包まれて眠るコムギの姿が目の前に浮かぶようだった。

そして次の日、
ペット霊園での火葬を終えた後、もう一度母が電話をくれた。
「ほんまにキレイな所で、係りの人も親切でなあ。
お棺も花で一杯にしてくれて、もうコムギ、
花で顔しか見えへんくらいやったわ」
と言って笑って、そして泣いた。
「辛いけど、コムギも頑張ったし、病院も霊園もホンマによかったから」と、
悲しさのなかにも、やれることをやりきった清々しさも感じられる母の声。

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話を聞いていた私の目にも、改めてもう一度
花といっぱいの愛情に包まれたコムギの姿が浮かんで、
なんだかたくさん慰められたような気持ちだった。
コムギへの母と姉一家の愛情と献身は、
「引越が落ち着いたら9月には…」と思いつつ
結局会いに行けなかったことを心のどこかで責めていた
私自分の気持ちを、(身勝手かもしれないけれど)
優しく包んでそおっと風に流してくれるようで。

お母さん、お姉ちゃん、それにYさんとUちゃん、
コムギのこと本当に本当にありがとう。

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 コムギと緊張の面持ちのキミ、初の対面 (…絨毯引っ掻いてボロボロ…)


まだ片手に乗るくらいの仔猫の頃、
わたしが読んでいる小説に飛びついて、バリバリに破いたコムギ。
「ダメでしょ!」と怒られると、わたしの顔に思いっきり噛み付いてから、
そのままキッチンに駆け抜けて、
テーブルの上のカップを前足でことごとくなぎ払って割った、
そんな荒くれ者だったコムギ。

私が目をゆっくり閉じると、
同じ速さでコムギも目を閉じることを発見して、
それを「催眠術ゴッコ」と名づけて、繰り返し遊んだあの頃。

まだタンスの上にポンポンと登れた若い頃、
ちょっと優越感に満ちた顔でわたし達を見下ろすコムギを見て、
「コムギは美人さんやねえ」と、母と話していると、
「そんなの知ってるわよ」と満足そうに目を細めて、
ツンと顎を上げていたコムギ。

声帯に問題があるのかと心配するほど鳴かない仔だったのに、
母と共に長く暮らすうちに、「コ~ムギ」と呼びかけると
「にゃあ!」と必ず返事をするようになった、晩年のコムギ。
母といると安心で、(クールを装いつつ)
母のことがやっぱり大好きだったコムギ。

コムギ、今まで長い間よく頑張ったね。
小さくて、ちょっと乱暴で、凛としたあなたが大好きでした。
今まで20年間ありがとう。
ありがとう、 ずっと、ずっと、ずっと。


もう大丈夫と思っていたけれど、今日コムギの写真を見て、
もうこの小さい姿はいないんだ、
会えないんだという突然の想いに涙が湧き出した。
一息ついて落ち着きを取り戻して、
コーヒーでも入れようと立ち上がって数歩歩いたところで、
思いもかけず膝をついて、
せり上がってきた嗚咽をとめることができず、ただただ泣いた。

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テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット

プロフィール

ハム助

Author:ハム助
⇒人生の後ろ半分北海道民の元関西人。
☆キミ(公)
⇒2002年、札幌市主催の「仔犬の里親探し」で、めでたくパートナーとなった雑種犬キミ。(多分3月中旬位生まれ)
「お母さん犬は豆柴」との説明とは裏腹に、野太く頑丈な足が示唆した通り、その後14kgほどに立派に成長。
2016年8月、14歳の夏に肥満細胞腫で左後足踵を手術。
リンパ節への転移や血栓、肝臓等々問題を抱えつつも、自然の匂い溢れる散歩コースを愛するマイペースなシニア犬。
☆ぐり
⇒2015年師走の時期にやってきた猫のぐり(男の仔)。キミと同郷(札幌市動物管理センター出身)の年の離れた弟分。眼光鋭い渋めの顔だちとはウラハラに、性格はとことん甘えん坊。

『HOKKAIDOしっぽの会』
飼い主募集のほか、高齢や持病のため会で暮らすことになった犬達・猫達のための「足長基金支援制度」があります。 「住宅事情等のため譲受は難しい、でも保護ワンコ・ニャンコ達のために何か支援がしたい!」と思っている方、一度『足長基金支援制度』を検討してみてください♪
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